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スイーツラボ「RAU」が発信する新しいパティスリーの姿

スイーツラボ「RAU」が発信する新しいパティスリーの姿

これまでに見たことのない菓子が並ぶスイーツラボ。それがGOOD NATURE STATIONオリジナルのスイーツブランド「RAU」です。美味しさはもちろん、創造性に溢れた形や色の菓子は、まさにエディブル・アート(Edible Art=食べられる芸術)。また、ガラスケースを使わないディスプレイ方法や、チョコレートを作る工程を見学できるようにするなどの工夫によって、新しいパティスリーのあり方を京都から発信しようと試みています。

 

若いパティシエの感性が集う場所

 

「RAU」というブランド名は、「らうらうし」という日本の古語から取られました。パティスリーの理想像を示す言葉の頭文字であり、日本語らしい響きとともに、外国人のお客さまにもなじみやすい洋語的なニュアンスを持ち合わせています。また、パッケージに用いられるカラーは日本の伝統色である「藤色」。日本では古くから高貴な色として知られていますが、西洋でもまた上品で気高いイメージを持っているとされます。

 

「RAU」をリードするのは個性豊かな若いパティシエたち。松下裕介、高木幸世、奥田陽介の3人を中心に、日々新しい菓子作りに挑戦しています。それぞれの感性が融合して生まれた菓子は、味も色も形も、これまでにないものばかり。「スイーツラボ」とは、パティシエたちの大胆で瑞々しい感覚が集まる場所なのです。

「ここにしかない」お菓子を生む、新しいパティスリーのかたち。

 

「Farm to bar」を伝えるために

3階|チョコレート工房

 

「RAU」が取り組もうとしている新しいパティスリーとは、どのようなものなのでしょうか。それは原材料を選ぶところからパティシエが関わり、菓子を作り、お客さまの元にお届けするところまで、すべてを自分たちの手で行う「Farm to bar」という考え方を実践することです。そのために大切にしたのが、菓子の味や美しさを追究すると同時に、お客さまとの接点を増やすことでした。

 

それを一番わかりやすく表現しているのが、3階にあるチョコレート工房です。髙島屋 京都店と繋がる通路の壁には窓が並んでいて、中の様子を眺めることができます。原材料であるカカオが並ぶ倉庫、その隣には大きな製菓用機械が置かれ、そのかたわらにはパティシエたちが真剣にチョコレートと向き合う姿があります。

 

 

「RAU」というブランドにとって、チョコレートはそれを支える大きな柱です。カカオ豆を選ぶため、パティシエたちは中米のコスタリカまで足を運びました。自分たちが目で見て確かめた素材が、商品として完成する様子をお客さまにも見ていただきたい。オートメーションではなく、人の手で作るからこそ生み出せるチョコレートの味を、この窓を通して感じてほしいと思っています。

チョコレートの味を追い求めるショコラティエールの挑戦

 

ガラスケースのないギャラリー

1階|RAU パティスリー

 

1階のパティスリーにも、お客さまとの距離を近づけるためのアイデアがあります。最もユニークなのは、ガラスケースがまったくないこと。地面から飛び出してきたようなカウンターは、上から見るとロゴの形になっています。その上にまるでアートのように置かれた菓子を、360°どの角度からも自由に見て選ぶことができます。

 

 

パティスリーと言えば、ガラスケースの中にケーキが並び、それを挟んで注文するのが当たり前になっています。しかし、あえてケースを置かないことで、お客さまと会話をしながらパティシエの思いを伝え、わたしたちの取り組みについて説明するきっかけが生まれます。プライスカードを小さくし、説明を少なくしているのも、「RAU」の世界を自由に感じて、楽しんでいただきたいという思いから。菓子の繊細な色や形を間近で見られるこの空間は、「RAU」にとってのギャラリースペースなのです。

 

 

 

その壁の一部には、日本家屋の「床の間」のエッセンスを現代的な解釈で取り入れた「飾り窓」があります。

 

 

例えばお茶会では床の間に掛け軸や花を飾り、季節感やその日のテーマなど、亭主の想いを伝えます。それと同じように、ここにもまたパティシエたちからお客さまへのメッセージが込められているのです。

 

 

店内奥にはギフトにおすすめの商品が並んでいます。一般的に、パティスリーのパッケージデザインは華美なものになりがちです。しかし、「RAU」ではブランドロゴや装飾に頼らず、あくまでも菓子を引き立たせるための引き算のデザインを心がけました。こうしたディテールにも、日本の美に対する本質的な考え方を忍ばせています。

 

 

また、これらの包材や箱は、すべて紙や木で作られています。GOOD NATURE STATIONのスイーツブランドとしてふさわしいのは、やはりサスティナブルな素材でなければならないと考えました。また、食べ終わった後はすぐに捨ててしまうのではなく、小物入れなどに使っていただけるよう形やデザインにもこだわりました。こうしたバックグラウンドもぜひ一緒にお持ち帰りください。

 

菓子の世界観に浸る体験を

3階|RAU CAFE

 

3階のカフェは、「RAU」の世界観に浸っていただくための場所です。ドリンクとともに、すぐ目の前の工房で作られた菓子をじっくり味わってください。カフェには壁の仕切りがなく、どの席に座っても3階のフロア全体を見渡すことができます。菓子を楽しみながら、コスメやクラフト、ビューティーサロンなど、多くの要素が詰まったこのフロアの楽しみ方を見つけてください。

 

 

こちらのカフェでは、カウンターに並んだ菓子を見ながらオーダーしていただきます。ここにも「RAU」のコンセプトが隠されています。

 

 

カウンターの上部はセメントできていますが、その中には鮮やかな色のガラスの破片が散りばめられています。これは人工的に計算してできたものではなく、セメントとガラスが混ざり合う中で自然に生まれたものなのです。その下の部分を覆うのは亜鉛メッキという素材です。一般的には人目に付く部分には使われない素材ですが、これもまた生成時に独特の風合いが自然に生まれるものです。

 

 

これらに共通するのは、「自然のエッセンス」が含まれていること。「RAU」の菓子が纏う独特のニュアンスは、自然からインスピレーションを受けたものが多く、素材のパターンにおいても「RAU」のコンセプトを表現しようとしているのです。

 

素材を選び、それが菓子として完成するまでのプロセスを見せること。作った菓子を自分たちの言葉でお客さまに届けること。そして、その世界観に浸る場所を用意すること。これらをGOOD NATURE STATIONという一つの施設の中に揃えることによって、お客さまとの多面的な関わりを築いていきたい。それが「RAU」が目指し、世界へと発信していこうとしている新しいパティスリーのあり方なのです。

GOOD NATURE JOURNAL編集部