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エシカルに共感するコミュニティを生む、 GOOD NATURE STATIONへの期待

エシカルに共感するコミュニティを生む、 GOOD NATURE STATIONへの期待

“ビオ”って何だろう?“GOOD NATURE”って何だろう?

GOOD NATURE STATIONの開業前、自分たちが大切にするべきコンセプトを具体化するために、施設運営を手がける株式会社ビオスタイルのメンバーはさまざまな場所で学びを積み重ねていました。そのうちの一つが、京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)が主催する「イノベーション・キュレーター塾」。いわば私たちの「先生」でもあるSILKの山中はるなさん(左)と杉原惠さん(右)に、ソーシャル・イノベーションの視点から、GOOD NATURE STATIONの可能性について語っていただきました。

 

「四方よし」のビジネスをつくる

 

京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)は、2015年に京都市による「京都市ソーシャル・イノベーション・クラスター構想」の拠点として設置された研究所です。社会的課題をビジネスの手法で解決する「ソーシャルビジネス」に取り組む企業、市民、NPO、大学をサポートすることで、過度の効率性や競争原理とは異なる価値観を広めることに取り組んでいます。

 

そこで開催されている「イノベーション・キュレーター塾(以下、キュレーター塾)」は、ビジネスの手法で持続可能な社会づくりを目指すイノベーション・キュレーターを養成する学びの場。塾長やゲストスピーカーとの議論、塾生同士の学び合いによって「四方よし=三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)+未来よし」のビジネスをつくる手法を身につけていきます。

 

GOOD NATURE STATIONとSILKの出会いは、ビオスタイルの研修にキュレーター塾の塾長・髙津玉枝さんをお招きしたとき。その際、髙津さんの勧めで、代表取締役社長の髙原英二と、EAT(マーケット)営業部の店舗開発部マネージャー・本山喜之がキュレーター塾の3期生に応募しました。

 

自分たちの役割を問い直す

 

山中:「1ヶ月に一度のキュレーター塾で、髙原さんは『ビオとはどういうものか?』について、本山さんは各地で出会う生産者の方々について発表していました。髙津塾長から『大手企業である京阪ホールディングスの施設で商品を扱うことで、生産者が幸せになれる仕組みとは?』と問いかけられて、新たなスキームを練り直すなどされていました。とても熱心に受講されていましたね」

 

髙津さんや他の塾生のみなさんとの議論をベースに、2人はそれぞれの立場からGOOD NATURE STATIONのコンセプトを開業に向けてブラッシュアップ。生産者が手がける作物や商品を扱うだけでなく、GOOD NATURE STATIONを介して生産者同士をつなぎ、新しい商品開発に活かすといった関わり方をつくりあげていきました。

 

また、京都市とSILKがともに行っている「これからの1000年を紡ぐ企業認定」に認定された企業の紹介も。現在、GOOD NATURE STATIONで取り扱っている「IKEUCHI ORGANIC」や「発酵食堂カモシカ」とのご縁も、実はSILKを通じて生まれたものなのです。

 

京都に与えるインパクトは?

キュレーター塾を通して、さまざまなソーシャル・イノベーション事例を見てきたおふたり。まさにビジネスの手法によって持続可能な社会を目指すGOOD NATURE STATIONという施設をどのように見ていらっしゃるのでしょうか。

 

 

杉原:「建物やこの空間そのものの斬新さに目を奪われますが、それ以上にモノ・コトの選択基準として5GOOD(体・心・地域・社会・地球にとって健康的で、しあわせであること)を掲げられた点が印象的でした。これまでのビジネスのように、たくさん人を集めて利益をあげることが目的ではなく、施設のコンセプトに本当に共感するコミュニティによる事業であることが明確に感じられたからです。GOOD NATURE STATIONの強みは、施設側のこの想いにあると思います」

 

山中:「大手企業である京阪ホールディングスが、持続可能な社会づくりに取り組むことによるインパクトは非常に大きいと考えています。今までとは違う規模感で、一般の方々に対して広がっていくのではないかという期待もあります。また、生産者のみなさんにとってもGOOD NATURE STATIONに商品を置いているということで、新たなつながりが生まれることもあるでしょう。この施設全体が持続可能な社会づくりに取り組む生産者さんを紹介するメディアになり得ているのではないでしょうか」

 

 

京都のソーシャル・イノベーターに通じているおふたりは、GOOD NATURE STATIONで知り合いにばったり会うことも多いそう。「京都でソーシャル・イノベーションに取り組む人たちをつなぐ拠点にもなりうる可能性もある」とも話してくれました。

 

ファンを通じてコンセプトを広げる

 

杉原さんと山中さんのおふたりに、GOOD NATURE STATIONの商品からお気に入りを教えていただきました。杉原さんは1階GOOD NATURE MARKETの有機野菜コーナーで取り扱っている袋売りの安納芋をお目当てに、わざわざ足を運んでくださっています。

 

杉原:「『これはスイーツ?』っていうくらいに甘くて。袋入りだと小さい安納芋が何本か入っていて、子どものおやつにちょうどいい大きさなんです。旬の時期や気候によって、入荷しない時もありますが、そういうところにも生産者さんを大事にしながら本当に美味しいものを販売しようとされているのだなと感じます」

 

 

杉原さんは「GOOD NATURE STATIONでお買い物をする人は、商品やスタッフのファンになって通うことになるのでは?」とも語ります。施設の姿勢への共感を通して、お客さまとスタッフのつながりも生まれやすい点を指摘し、それがGOOD NATURE STATIONのコンセプトを世の中に広げていくことにつながればとも期待してくださっています。

 

ライフスタイルそのものを提案

一方、山中さんのお気に入りは同じく1階で販売されている「うね乃」のおだし。仕事帰りなどに立ち寄られているそうです。

 

 

山中:「3階のRAU CAFEのケーキも好きですし、1階のワインの試飲も楽しんでいます。先日はここで購入された発酵食堂カモシカのぬか漬けセットをいただいたのですが、自分で漬物を漬けるというライフスタイルそのものを提案する贈り物だなと思いました。GOOD NATURE MARKETには、発酵食堂カモシカが発信する発酵文化を表現した『かもし棚』もありますよね。商品の背景にある世界観を見せることで、暮らしに取り入れようと思う方も増えるのではないでしょうか」

 

「ここに来るたびに、新しい発見と出会いがある」と山中さん。GOOD NATURE STATIONには、「近しい感性を持っている人たちが、お買い物に来ているのだからお客さん同士をつないでいく接客も可能では?」というアドバイスもいただきました。

 

今回のおふたりからいただいた助言も活かしながら、GOOD NATURE STATIONは生産者・お客さま・スタッフの間に生まれる共感をつないでいく、ソーシャル・イノベーション拠点としての可能性を追究していきたいと思います。

 

山中はるな(やまなか・はるな)

京都市ソーシャルイノベーション研究所 イノベーション・コーディネーター。(株)リクルートでの企画職を経て、2009年から京都市まちづくりアドバイザーとして区基本計画の策定、地域活性化のためのワークショップを行う。2015年より現職。「これからの1000年を紡ぐ企業認定」、「イノベーション・キュレーター塾」の立ち上げを行う。2020年より、VUCA時代に必要なリーダーシップを身に着ける学びの場「共創リーダーシップ・ファシリテーション塾」を共同主催。

 

杉原惠(すぎはら・めぐみ)

京都市ソーシャルイノベーション研究所 コンシェルジュ。奈良出身。大学在学中に京都に魅せられる。卒業後は航空会社に就職し、キャビンアテンダントとして勤務。出産を機に退職。2012年より、京都産業大学教授・京都市ソーシャルイノベーション研究所 大室悦賀所長のアシスタントとして再び京都に。2016年より現職。京都市内を中心に活動するお母さんたちのライフワークチーム「my turn」代表・プロデューサー。

 

京都市ソーシャルイノベーション研究所

https://social-innovation.kyoto.jp/

 

 

GOOD NATURE JOURNAL編集部