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エシカル消費の専門家が語る、GOOD NATURE HOTEL KYOTOの宿泊体験

エシカル消費の専門家が語る、GOOD NATURE HOTEL KYOTOの宿泊体験

この3月末まで、大和総研グループで研究主幹として勤務し、持続可能な社会を実現するための企業活動のあり方や生活者視点でのエシカル消費について研究されてきた河口真理子さん。GOOD NATURE STATIONを運営する株式会社ビオスタイルのメンバーは、京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)が主催する「イノベーション・キュレーター塾」をきっかけに河口さんと出会い、折にふれてさまざまなアドバイスをいただいてきました。先日、京都を訪れた際、初めてGOOD NATURE STATIONに足を運びホテルにも宿泊してくださった河口さんに、専門家の立場から、また一人の女性としての観点から率直なご感想をうかがいました。

 

木の触感を思う存分感じられる空間

 

「素足で歩くのがあんなに気持ちいいなんて」。ホテルで迎えた朝、河口さんが最初に口にされたのは、客室の床の感触についてでした。

 

河口:「驚きました。スリッパを履くのがもったいないくらい。木の触感を思う存分感じられる空間って意外とないんですよね。余計なものが一切ないシンプルさの中に、素のままの質感を出そうとする努力がすごくいいと思いました。スリッパを履いてみると、これもすごく履き心地よかったです」

 

 

GOOD NATURE HOTEL KYOTOは、肌に触れるものから空間まで、すべてにおいて“GOOD NATURE”の思想を体感していただける場所です。傷がつきやすい天然木の床はホテルに不向きだと考えられていますが、私たちは年月を重ねることで「経年優化」していくように、必要に応じてリペアしていこうと考えています。

 

河口:「また、ホテルのリネンはパリッと糊をきかせたものが多いですが、こちらのホテルは違いました。タオルもふわふわですし、シーツやガーゼのパジャマが肌にとてもやさしいので、ずっとベッドにいたくなります。こうした部屋全体の心地よさは、もっとわかりやすい形でアピールしてもいいのではないでしょうか」

 

 

河口さんが指摘されたように、GOOD NATURE HOTEL KYOTOでは、客室のすべてのリネン類を肌触りのよいもので揃えています。「この気持ちよさは言葉だけでは伝わらない。『来て、触ってください』という気持ち」と河口さん。私たちが伝えたかった、「五感で空間を楽しむ」ことを体感していただけたようです。

 

五感が目覚める瞬間をどう伝える?

GOOD NATURE HOTEL KYOTOでは、お客さまご自身の五感で空間を味わっていただくために、室内の調度品や備品の説明も最小限に留めています。河口さんは、「押し付けがましさがないのはとても感じがいい」と評価する一方で、「これは何だろう?と疑問を持った時に知る手段があった方がよい」とも指摘します。

 

河口:「例えば、素足で触れる木の床は気持ちいいことに気づくと、『この床材は何の木だろう?』と知りたくなりますよね。知りたいと思った時に、手軽にその情報にアクセスできる仕組みにはまだ課題があるように思います」

 

 

 

 

ホテルのお客さまには、コンセプトに共感してくださる方はもちろん、単純に京都旅行の宿のひとつとして、例えば立地や利便性などで選ばれる方もいらっしゃいます。どの目的でお泊りになるお客さまにとっても、GOOD NATURE HOTEL KYOTOの宿泊体験が五感を研ぎ澄ませる楽しさを味わうきっかけになれたらと私たちは考えています。

 

 

河口:「そうであればなおさらですよね。『どうしてここに木が植えられているのかな?』、『なぜこの香りに気持ちが安らぐのだろう?』と、問いが生まれたときがチャンスです。それぞれの方の気づきのレイヤーに合わせて、ホテルが伝えたいことを伝えていく。そして、気づいた時にはトータルコンセプトまで理解していただけるのがベストではないでしょうか」

 

エシカル消費の拠点として

河口さんは「エシカル消費」についての研究も専門とされています。エシカル消費とは、生活者が日々の暮らしの買い物を通じて、世界が抱えている問題の解決の一端を担うこと。GOOD NATURE STATIONでは、持続可能な社会づくりを目指し、生産者のみなさんとのつながりの中で、商品開発を含めたさまざまな取り組みを行っています。この点について、河口さんはGOOD NATURE STATIONの可能性をどのように感じられたのでしょうか。

 

河口:「エシカルということをここまで徹底している施設は、日本ではまだ少ないと思います。生産者のみなさんに『ここに出店したい』『ここへ来るお客さまに食べてもらいたい』と思ってもらえる、最先端のエシカル消費の拠点になれるのではないでしょうか」

 

ホテルの朝食を提供する1階の「ERUTAN」では、同じフロアのGOOD NATURE MARKETで販売している食材を使用。土のエネルギーをたっぷり吸い込んだ有機野菜や平飼い卵を味わっていただいています。また、料理のプロセスで余った野菜を活用してジャムをつくって提供するという取り組みも。「宿泊体験を通じてお客さまにエシカルな気づきを与えることもできるのでは」と河口さんは話します。

 

 

河口:「エシカル消費の根本は、そのものが店頭に並ぶまでのプロセスに思いを致すこと。例えばERUTANで使われている平飼い卵は他のスーパーで売られているものに比べて値段は高いけれど、食べれば味が全然違うとわかりますよね。その体験を通じて『こんなに美味しいものをつくってくれてありがとう』という感謝や尊敬の気持ちが自然と生まれ、生産者と消費者の関係性を変えていくのではないでしょうか」

 

東京などの大都市に比べると、京都はまさにヒューマンスケールの街。「生産者と消費者の距離の近さも強み」だと指摘し、「古色蒼然たる京都ではない、今の京都ならではのよさを伝えられるのでは」と期待を語ってくださいました。

 

河口:「エコやエシカルな取り組みは、時として『これが正しいんだ!』という上から目線の伝え方になってしまうことがあります。そうではなく、共感によって広げていかなければ、人は付いてきてくれません。そうした意味でも、GOOD NATURE HOTEL KYOTOに宿泊し、この施設全体のコンセプトを五感で感じてもらうことはとても大きな意味があると思います」

 

 

河口真理子(かわぐち・まりこ)

1986年一橋大学院修士課程修了。同年大和証券入社。1994年に大和総研に転籍、企業調査などを経て2010年大和証券グループ本社CSR室長、2011年7月より大和総研に帰任、2019年1月から調査本部研究主幹。2020年4月から立教大学特任教授、不二製油グループ本社 CEO補佐に就任(予定)。専門分野はサステナブル投資、CSR、エシカル消費などサステナビリティ全般。国連グローバル・コンパクト・ジャパンネットワーク理事、NPO法人日本サステナブル投資フォーラム共同代表理事、エシカル推進協議会理事、WWFジャパン理事、プラン・インターナショナル・ジャパン理事など。

 

 

GOOD NATURE JOURNAL編集部