毎日に寄り添う一着を 自分たちが誇れるユニフォームづくり

毎日に寄り添う一着を 自分たちが誇れるユニフォームづくり

GOOD NATURE STATIONのスタッフが着用しているユニフォーム。実際に現場で働くスタッフで結成した制服制作委員会のメンバー全員で、「誇りとやる気の出てくるユニフォーム」を目指してつくりあげてきました。そんな私たちの想いに応えてくださったのが、衣服づくりをトータルにサポートするシタテル株式会社です。ユニフォーム制作の裏側と、その中に詰まった私たちの想いをご紹介します。

 

毎日着ることがうれしくなる一着にしたい

GOOD NATURE STATION各部署の有志が集まって結成された制服制作委員会。何度も話し合った結論として特に大切にしたのは、毎日着用し、現場の最前線で接客をする私たち自身が着ていて気持ちがいいもの、そして着ているとうれしくなる、誇りとやる気に満ちてくるものを目指すことでした。

 


 

デザインの基本方針は、施設のデザインコンセプトである「自然を感じ、自然に感謝し、ワクワクするデザイン “WONDER OF NATURE” with essence of Kyoto」を表現できるもの。さらに部署ごとに、素材やデザインへの要望をまとめていきました。

 

イメージが膨らむ中、壁となったのが、このイメージをどのように実現するのかということ。その糸口を探していた頃に出会ったのがシタテル株式会社でした。

 

衣服づくりのプラットフォーム企業

シタテルは、衣類の生産インフラを必要とする人々が、いつ、どこであっても自由に服を作ることができるようなプラットフォームを提供しています。国内を中心とした縫製工場や生地メーカーと連携し、数多くのブランドやデザイナーが登録利用しています。

 

縫製工場、生地メーカー、デザイナー、パタンナーなど、衣服づくりに関わるさまざまなプロとのネットワークを構築しているので、詳細なアイデアを持たない人でもデザインから縫製まですべてを相談できる、まさに衣服づくりのプラットフォーム企業なのです。

 

 

既製品では困難なオリジナリティあるユニフォームをつくりたい! そんな思いの実現のためにご協力いただいたのはプランナーの児島周平さん(左)と和田聡史さん(右)です。

 

 

児島:「私たちが所属しているのは、ユニフォームのセールス・開発チームの中でも、企画とデザインをいちから立ち上げるフルオーダー部門です。私はデザイナーや生産チームのアサインやスケジュール管理などディレクターの役割を担っています。対して和田は、デザイナーとの細かな企画や生地の選定、実際にユニフォームができるまでの納品管理などを担当しています。」

 

 

和田:「服をつくりたい、かつ小ロットで必要な分だけほしい、と思っても、普通は何から手をつければいいかわかりませんよね。でも、衣服づくりに精通したプロと小ロットでも対応していただける縫製工場を揃えられたことで、僕たちの使命である『お客さまのイマジネーションを形にする』ことができるようになりました。」

 

第一印象は「必要なものだけを選んで届ける」

ユニフォームづくりは、GOOD NATURE STATIONにまつわるあらゆる資料、そして制服制作委員会がまとめていたユニフォームへの要望書をおふたりに届けることからスタートしました。

 

 

和田:「第一印象は『画期的で面白い取り組みをされるんだな』というものでした。ユニフォームに対してかなり細かな要望書をいただいたのでイメージしやすかったですね」

 

児島:「アパレル業界でもエシカルやサスティナブルは今まさに注目されていますし、“GOOD NATURE”というコンセプトにも共感しました。いただいた資料を見て、いろいろなものを付け加えていくのではなく、『本当に必要なものだけを選んでお届けするようなブランドなのかな』と感じたのを覚えています」

 

新しい素材をユニフォームに

資料や要望書などを元に、おふたりが提案してくださったのは次の3点でした。

 

・”NATURE”を「自然体でいること」と捉え、グリーンやブラウンといった植物や土の色にこだわりすぎないこと。

 

・京都が持つ「品格」をイメージして、過度な装飾は排し、ベーシックなアイテムをベースとしながらもシルエット、ディテールで洗練された振る舞いが感じられること。

 

・着用するスタッフが「私生活でも着用したい」と思え、お客さまもスタッフの装いに憧れるような、ワクワクするデザインであること。

 

児島:「この3点を挙げた時、アパレル業界で流行している機能性ウエアが思い浮かびました。単なる作業着ではなく、いかに機能とデザインやスタイリッシュさを共存させるか、という点で各ブランドがしのぎを削っているんです。今回のユニフォームが目指すのもエシカルやサスティナブルといった方向性だったので、同様にシンプルなイメージの方が合うなとも思いました」

 

 

和田:「個人的に今回のGOOD NATURE STATIONには新しい素材を使っていただきたいなという思いがありました。いわゆるユニフォームメーカーの素材はがっしりして洗濯してもヘタレない強い素材だけど、繊細な感じを出すのが難しく、いかにも作業着っぽくて面白味がない。ならば思い切ってファッション寄りでトレンドの素材を、あえてユニフォームに使ってみようと。それによって世の中に新しい提案ができるし、差別化も図れます。とはいえ、機能的でシワが付きづらく、洗いやすいといった要素も必要です。そこでご提案したのが『チルドライ』という軽くてドライタッチの新素材でした。この生地をトップスのメインとして使用しています」

 

 

 

ファーストデザインを元にサンプルを作成。それを制服制作委員会の全員で試着しながら意見を出し合い、それを反映してもらいながら2回目のサンプルへ。それを繰り返しながら、GOOD NATURE STATIONのユニフォームは完成しました。

 

和田:「サンプル段階から現場の方に試着していただき、意見をもらいながら完成に近づけられたことは理想的な進め方でした。ユニフォーム担当者とのやりとりだけになると、完成後に現場の方から『もっとこうして欲しかった』など修正要望が出てしまうこともあります。でも、今回は最初から最後まで現場の方の生の声を反映することができました。また、つくる過程で難しかったのは、京都らしさをユニフォームに落とし込むことでした。ファッションで有名な西陣織や京都の伝統的な染めやプリント技術などの要素を入れるのが京都らしさかなという思いも最初はあったんですけど、プロジェクトが進行していくうちに、『歴史は古いけれども世の中に無い革新的な事に積極的に挑戦する街』というような、新しい京都の解釈の仕方にだんだん切り替わっていったイメージがありますね」

 

児島:「結局は京都=着物柄みたいなところをあえてはずして、着物の持つ良さ……袖のゆとりや切り返しのディテールを最終的にはデザインに落とし込んで、自然に京都らしさは感じられるけれども“THE和”ではないものにつくり上げました。今回は、デザインや素材はもちろん、つくる過程もチャレンジングな取り組みばかりでした。実際に半年、1年とユニフォームを着て現場で働くことで、さらに必要な機能やディテールが出てくることもあります。そういった意見も聞きながらブラッシュアップしていけたらいいですね」

 

シタテルのおふたりと一緒になって完成させた私たちのユニフォーム。各ゾーンごとに少しずつ色やアイテムを変えていますので、ご来館の際にはぜひ注目してみてください。

 

 

シタテル株式会社

「人・しくみ・テクノロジーで衣服の価値を変える」をミッションに掲げ、衣類の生産インフラを必要とする人々が、いつ、どこであっても自由に服を作ることができるようなプラットフォームを提供しています。国内を中心とした約900社の縫製工場・生地メーカー等と連携し、約15,000社のブランドやデザイナーが登録利用しています。

https://sitateru.com/

 

※シタテル様にも事例紹介として掲載いただいています。私たちの側からの「制服づくり」もあわせてご一読ください。

https://sitateru.com/case/good-nature-station/

 

GOOD NATURE JOURNAL編集部
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