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日本文化を学ぶことで独創性に深みが増したRAUの菓子。 源は有斐斎弘道館との研究会に―。

日本文化を学ぶことで独創性に深みが増したRAUの菓子。 源は有斐斎弘道館との研究会に―。

京都御所西にある有斐斎弘道館(以下、弘道館)。江戸時代の学問所を再興し、日本文化に関する講座やイベントを開催している同館とGOOD NATURE STATIONは、さまざまな取り組みを一緒に行ってきました。弘道館について紹介するシリーズの2回目は、GOOD NATURE STATIONのパティスリーブランド・RAUと行っている研究会について、弘道館館長の濱崎加奈子さん(以下、濱崎)にうかがいました。(聞き手:GOOD NATURE STATION 中久保)

 

京都に根付くために、何をするべきか?

 

中久保: RAUとの研究会というのは、どういった経緯で始まったのですか?

 

濱崎:ビオスタイルの髙原社長から、運営するGOOD NATURE STATIONのコンセプトなどを大変熱心にうかがって、これは素晴らしいと感じました。そして弘道館としてどういった関わり方ができるのか、お互いにとって有意義で、しっかりと絆を作り上げられるのは何かと考えたとき、RAUとの研究会をさせていただくのはどうかと提案いたしました。髙原社長はGOOD NATURE STATIONが京都で根付くことが大切だとおしゃっていました。では、RAUの菓子はどうやって根付いていくことができるのか。京都においては、伝統や歴史、文化が欠かすことのできない要素だと思いますので、そういった面を深める研究会をしていくことになりました。

 

 

カカオの茶会、和歌の新作菓子と、次々にチャレンジ

 

中久保:11月にはカカオをテーマにした茶会、3月は和歌をテーマにした商品制作を一緒に取り組んでいただきました。

 

濱崎:研究会のスタートに、RAUのみなさんと茶事研修をさせていただきまして、そこから触発されて生まれたアイデアが「カカオ茶会」でした。普通の茶会もしたことがないのに、“カカオ”って大胆ですよね(笑)。カカオのお茶をお客さまにお出ししたり、季節に合った茶席の菓子をつくったり。想像以上にチャレンジしてくれました。そして、3月の和歌の方も大変だったと思います。和歌に全く触れたことがないとおしゃっていたので大丈夫かなと心配していましたが、見事な掘り下げ方をしてくださいました。

 

 

中久保:掘り下げ方、と言いますと?

 

濱崎:桜を詠った和歌を1つ選んでいだいて、それを菓子で表現していただきました。たいてい和歌の読み込みというのは、そんなに深くならないことが多いんです。いろいろと調べるところまではしても、独自の解釈までには至らない。踏み込んじゃいけないと思うのでしょうね。それを一歩、二歩進んで、和歌にゆかりのある場所を訪ねたり、「自分の人生に照らしてこう思う」というところまで考えをまとめたり。深く掘り下げて、菓子として表現された。おかげでとても独創的な色や形、味になったと思います。もちろん外してはいけないポイントはありますが、本来、和歌にはいろんな解釈があり、そして人の心に化学反応をもたらすものなのです。

 

 

学び続け、広がる新しい菓子の世界

中久保:今後、RAUとの研究会は、どのように発展していくのでしょう。

 

濱崎:まだまだ香道やお能など、テーマはたくさんあります。これからどんどんお忙しくなるでしょうから、今のうちに学びを深めておくといいと思います。RAUの菓子は、食べた人が味、見た目、名前を組み合わせて楽しめる菓子ですが、その幅が広がるでしょう。学ぶことが、京都でつくっていくこと、世界に出ていくことの自信になるのではないか、そう思っています。

 

 

日本の文化に触れて、新しい菓子をつくる―。京都でなければ、チャレンジしなかった試みでした。「全てが学び」。濱崎館長は、そうおっしゃいます。パティシエたちが得たたくさんの学びが、RAUの菓子に注がれているのです。

次回は、弘道館の再興十周年を記念して2020年2月に上演された「勧進『新〈淇〉劇』」や7月に弘道館とGOOD NATURE STATIONと共同で開催した「能あそび」を振り返りながら、伝統文化や芸能の発信についてお話をうかがいます。

 

有斐斎弘道館

https://kodo-kan.com/

京都市上京区上長者町通新町東入ル元土御門町524-1

GOOD NATURE JOURNAL編集部