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GOOD NATURE HOTEL KYOTOに出現する癒しの空間! 「5×緑(ゴバイミドリ)」が手がける、 街中で自然を感じられる壁面緑化

GOOD NATURE HOTEL KYOTOに出現する癒しの空間! 「5×緑(ゴバイミドリ)」が手がける、 街中で自然を感じられる壁面緑化

12月の本格オープンを前に、先行で予約の受付を開始している「GOOD NATURE HOTEL KYOTO」。このホテルは中庭が吹き抜けになっており、その中庭自体が四方を緑の壁で囲まれた壁面緑化を施し、訪れる人にやすらぎと癒しを与えてくれる空間が誕生します。私たちとともに壁面緑化に取り組むのは、独自に開発した「里山ユニット」を用いて、都市緑化や環境保全に取り組む「5×緑(ゴバイミドリ)」です。その代表の宮田生美さんに、京都をはじめとした日本の都市部で緑化が必要な理由や、「5×緑」にしか手がけることのできない、「里山の景色を再現する都市緑化」についてお話をうかがいました。

 

今こそ、都市部に緑が必要。

 

 

現在、日本の都市部では開発が進み、自然と引き換えにたくさんのビル群や施設が建設されています。生活が豊かになり、便利になっていく一方で、都市の中から自然が失われているのも事実です。ビル群とともにコンクリートで造られた道や建物も格段に増えたことで、それらの人工的な構造物や排熱を要因として気温が上昇するヒートアイランド現象から、生態系へも影響を及ぼしています。

 

そのような土地では多様な植物が育ちにくく、緑の風景は育つどころかその土壌を確保することすら困難です。そんな都市部に日本らしい緑の風景を取り戻すべく、独自に開発した「里山ユニット」を使ったプロジェクトを推進しているのが、宮田生美さんが代表を務める「5×緑」です。

 

 

宮田:私が以前、まちづくりや都市に関わる事業計画のコンサルタントとして働いていた頃、環境デザインやランドスケープデザインに関わる方とお仕事をご一緒する機会がたくさんありました。そこで出会ったランドスケープ・デザイナーの田瀬理夫さんは、「地域の植生を蘇らせる」という確固たるコンセプトをお持ちでした。土はない、水はない、栄養がないなど、悪条件が揃いがちな都市の緑化には、多くの壁や制限が立ちはだかります。田瀬さんが基礎を作り上げたシステムは、田瀬さんの設計する現場でしか当時は用いられていませんでした。それを他の設計者でも使用ができるようになれば、世界に緑が溢れることになる。そう考えて田瀬さんとそのシステムを元に、私たちも「5×緑」というプロジェクトをスタートさせたのです。

 

今回私たちが「GOOD NATURE HOTEL KYOTO」の開業にあたって大切にしたことは、ここを訪れるお客様にホテルにいながら自然の豊かさに触れ、ゆったりとしたステイを楽しんでいただくことでした。

四条河原町という京都の繁華街の中心に位置しながら、緑に囲まれてしばし日常の生活と切り離された時間に身を置く。

ホテルに一歩足を踏み入れた瞬間から体を包み込むような、緑の大きなウォールでお客様をお出迎えしたい。その思いから、私たちと「5×緑」による壁面緑化プロジェクトをスタートさせることになりました。

 

生態系をより豊かにする「5×緑」の都市緑化。

 

 

「5×緑」が都市緑化に取り組むに当たって大切にしていることは、「里山の風景を再現し、街に季節を取り戻すこと」。暮らしの中で季節を感じられる機会が少なくなっている原因のひとつには、都市化によって日本の草木が身近なものではなくなってきたことが大きいと宮田さんは言います。失われた風景を取り戻すために、「5×緑」が守っているのが「日本の在来種から植栽する植物をセレクトすること」です。

 

例えば京都なら、「ここは京都なんだ」と感じられる場所を作るために、京都の在来種がたくさん生育している里山を、そのまま都会の景色の中に移すイメージで緑化は進められます(「在来種」とは、その地域で自生する日本の在来植物を指します)。

 

 

ここで活躍するのが、「5×緑」が都市緑化のために独自に開発した、軽量で保水性が高い人工軽量土壌や側面植栽にも対応できるカゴと金網を組み合わせた「里山ユニット」です。このユニットに、その地域に自生している在来種の内の数種を混植して小さな里山を再現します。そして、そのユニットを組み合わせることで、都会の大きなビルの壁一面の緑化が可能になると言うのが「5×緑」の真骨頂なのです。

 

宮田:里山の景観は高木があって、さらに中低木や下草があり、人が手入れをすることで長い間守られて来た日本人にとっては懐かしい景色です。そこでは生物多様性が守られているのですが、今ではそれが崩れており、現在では日本の在来種の25%が絶滅危惧種だと言われています。私たちが在来種を選んで植栽することで、そうした環境的な問題を改善できるとともに、日本人にとってホッとする緑の重要性を伝えることができると考えています。ですから、環境が許すのならば、さまざまな植物を混植して、本来の里山の景色を再現しようとしているのです。

 

 

「里山を再現する」というコンセプトで都市緑化を進めているのは、国内では「5×緑」しかありません。里山を再現するには、その地に生息していた植物を学ぶだけでなく、対象地の潜在自然植生や1960年代頃までの植生を調べることもあります。また、植物をビルの屋上や内部に適応できるようにある程度まで育てる事前育成など、とにかく時間と手間を惜しまずに都市緑化と向き合っているのです。

 

日本で昔から親しまれてきた生き物たちの住む場所であり、地域ごとの生態系の基盤である在来植生を再現することで、その地域に生息する虫や鳥の姿を目にする機会が増えるのも、「5×緑」が手がける都市緑化ならではの魅力と言えます。

 

宮田:外来種がまったくダメかと言うとそんなことはありません。しかし、在来種を植栽することで生態系を豊かにしていくことができるのです。その在来種で作った小さな里山の壁面緑化で、京都らしさや季節感を感じていただくのが、今の私たちの使命だと思っています。

 

その土地にもともと生えていた植物を植えることで、無理なく育成することができ、開業後に時間を重ねていくことでさらに緑が育っていく。経年変化することもおりこみ、時間をも味方につけ緑化を推し進める「5×緑」。12月に開業予定の「GOOD NATURE HOTEL KYOTO」では、ホテルに宿泊されるお客さまはもちろん、フロントやロビー、カフェを利用する全ての方に、街中にいながらたくさんの緑に囲まれゆっくりとしたひとときを感じていただけるような、他にはないGOOD NATUREな中庭をお楽しみいただきたいと考えています。

GOOD NATURE JOURNAL編集部