見てふれて感じて、五感で楽しむ、出張植物園

見てふれて感じて、五感で楽しむ、出張植物園

5周年を迎えるにあたり、GOOD NATURE STATIONでは「5YEARS 5GOODS」をテーマに1年を通してさまざまなイベントを展開。7月~9月のキーワードは「GOOD for Locals」でした。

 

京都府立植物園開園100周年を記念して、GOOD NATURE STATIONで「出張植物園」を開催しました。四条河原町という街の中心で、ギャラリー展示やワークショプを通して、植物にふれて、大きさや手触り、香りなど、五感で体験!
7月6日からはじまり、好評につき期間を1ヶ月延長し、9月30日までつづきました。

 

京都府立植物園は日本最古の公立植物園として、1924(大正13)年に開園。およそ1万2000種類もの植物を栽培し、中には、絶滅危惧種や国内で初めて開花した植物など、希少な品種とも出会える、国内有数の植物園です。

 

 

「街の中で、出張植物園ができたら」。京都府立植物園ではかねてから、そんな思いを抱かれていたそうです。街中にありながら館内に緑あふれるGOOD NATURE STATIONはぴったりのロケーション。GOOD NATURE STATION にとっても、5周年という節目の年にあたり、「5YEARS 5GOODS」をテーマに、サステナブルな未来につながる発信を目指す中で、意気投合。「GOOD for local」をキーワードに、人と自然と地域を結ぶ、「出張植物園 GOOD NATURE STATION×京都府立植物園」を実現しました。

 

京都府立植物園のバッグヤードを見学。職員の方に案内してもらい、企画展のイメージをふくらませた。植物園技術課温室係の成栗祥太さん(写真右)は、子どもを対象に開催したワークショプ「植物園職員と見る!食虫植物のミクロな世界」の講師も務めてくれた。

 

手でふれて、香りをかいで、体感する

4階ギャラリーでは、企画展「TRAVELING BOTANICAL GARDEN 旅する植物園」を開催。展示において大事にしたキーワードは、「LEARN/知る」「SEE/見る」「PHYSICAL/身体的体験」「REAL/本物」。京都府立植物園を訪れ、職員の方々にバックヤードまで案内していただき、共にアイデアを出し合い、「本物に見て、ふれて、身体で感じる」展示をつくりあげました。

 

 

所蔵する植物や標本、什器などを植物園から運び入れ、職員の方も週に一度は会場に足を運んでくださってメンテナンス。期間中、植物たちは生き生きとした姿を見せてくれました。

 

左)大きなヤシの葉。はじめは緑色だったが、だんだんと色合いが変わっていった。右)中央は、ギャラリー壁面に展示した、アフリカバオバブの実。

 

スペース中央に並べたのは、ドライ植物。手に取って、手触りや重みを感じることができ、自然がつくり出すユニークな形にわくわく。壁面に飾った大きな葉っぱは、ヤシの葉。背の高いヤシの木を見上げるのとまた違い、間近にすると、とても大きい! はじめは青々としていた葉が、展示期間中、だんだん色や形が変わっていく、エイジングも見どころでした。

香りもまた、植物と親しむカギ。温室で栽培するバニラなど、透明ボックスに入れて、香りを体感するコーナーを設置。植物園で実際に使われている装置をお借りして、ふたを開けてひとつひとつくんくん、五感で楽しんでいただきました。

 

左)ドライ植物を展示し、手にとってもらえるように。右)植物の香りを楽しめるコーナー。筒状の装置も植物園で実際に使われている道具。

 

押し花などの標本は、アートのように見て楽しんでもらいたくて、この展示のために表装し、ディスプレー。中でも目を引いたのが、「ショクダイオオコンニャク」の標本!

 

世界最大の花といわれ、栽培をはじめて30年となる、2021年にはじめて開花したという、希少な花です。数年に一度、わずか2日間ほどしか咲きませんが、偶然にも出張植物園開催中の、8月2日に植物園で開花! 開室前から列ができるほど、たくさんの方が見物に来園されたそうです。ちなみに、ショクダイオオコンニャクは花が咲くと、乳製品を発酵させたような強いにおいを放ちます。そうして、虫を引き寄せて花粉を運ばせ、短い開花期間で、命をつないでいるのです。

 

右)植物園で咲いたショクダイオオコンニャクの押し花。大きさが実感できる、貴重な標本資料。強烈なにおいのため、大変な作業だったそう。左)壁際に香りを体感するコーナーと、標本展示を。

 

アフリカバオバブが街で花咲く

ギャラリーと同じ階にある、吹き抜けの中庭では、温室で栽培されているアフリカバオバブの木を特別展示。サン=テクジュペリ著『星の王子さま』に描かれ、アフリカでは精霊が宿る木とされます。

 

吹き抜けの中庭にやってきたアフリカバオバブ。つぼみがふくらんでいくのを見守った。

 

運ばれてきた時に、つぼみをつけていたものの、環境が変わって心配しましたが、見事、大きな白い花を咲かせてくれました。咲いて落ちるまで、わずか1日。神秘の花ともいわれます。たまたま目にすることができたお客様は大喜び。そわそわ待ちわびたスタッフもうれしくて歓声を上げました。本来、門外不出の貴重な植物。園外で咲いたのも今回がはじめてだったそう。アフリカバオバブを間近で見る、貴重な機会になりました。

 

 

アフリカバオバブは8月に開花。だんだんと花咲き、ぽとんと落ちるまで、間近で眺められ、熟した果実のような甘い香りも楽しめた。

子どもたちと食虫植物を観察

さらに期間中には、植物と親しむワークショップも開催しました。『植物園職員と見る! 食虫植物のミクロな世界』は、植物園職員を講師に迎え、子どもたちを対象に2日間、各20名で実施しました。マイクロスコープで観察しながら捕食される虫になった気分で!?食虫植物をのぞき見る貴重な体験! 子どもたちは好奇心いっぱい、目を輝かせて参加してくれました。保護者の方々にもガラス越しに見学いただき、共にわくわく楽しんでもらいました。

 

 

自然の癒しを日常の中に

 

ボタニカルフレグランスブランド「Byaku」によるワークショップでは、参加者のみなさんがそれぞれ好きな香りで、サシェを手作り。白檀をベースにしたルームスプレーと、オレンジやバラ、ユーカリといった、ドライハーブやフルーツを組み合わせて、美しくて、香り豊かにできあがりました。ベッドのそばやリビングに置いたり、クローゼットにひそませたり、毎日に寄り添ってくれます。

 

 

会場には、ご年配の方から親子連れまで、幅広い世代の方が足を運んでくださって、日頃から植物園によく通われている方も中にはたくさん。京都府立植物園100周年記念グッズも大人気でした。街にいながら植物にふれ、より深く知りたくなる、きっかけをこれからもつくっていきます。

 

 

京都府立植物園

京都市左京区下鴨半木町

 

https://www.pref.kyoto.jp/plant/

https://www.instagram.com/kyoto_botagrdns/

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