レストラン「ERUTAN」が目指す 自然を循環させる店づくり

レストラン「ERUTAN」が目指す 自然を循環させる店づくり

GOOD NATURE STATION1階にオープンした「ERUTAN RESTAURANT/BAR」では、朝食からランチ、ティータイム、ディナーまで、1日を通して上質な季節の味をカジュアルに楽しんでいただけます。イタリア・ミラノで日本人オーナーシェフとして初めて一つ星を獲得した徳吉洋二シェフがメニューを監修。その徳吉シェフと共に店舗のプロデュース・運営を担当するのは、国内で数々の飲食店を手がけるトランジットジェネラルオフィスです。施設のコンセプトである“GOOD NATURE”をどのように紐解き、店舗づくりへと反映させたのか。徳吉シェフからのメッセージと共に、「ERUTAN」誕生の舞台裏をトランジットジェネラルオフィスPR担当者に語っていただきました。

 

飲食店によって地域を活性

 

 

トランジットジェネラルオフィスは、関東を中心に、大阪も含めて国内で約110店舗の飲食店の運営、商業施設、シェアオフィスやホテルなどをプロデュースしています。関西では「アイスモンスター」(新食感かき氷)や「ALL DAY COFFEE」(コーヒースタンド)をはじめ、東京では銀座の「アポロ」(モダンギリシャレストラン)や表参道の「フラテリパラディソ」(イタリアンダイニング)など、誰もが一度は訪ねたことのあるお店ばかり。カジュアルからハイエンドまでさまざまな形態の飲食店を全国でプロデュースしています。そうした中、単なる飲食店経営だけでなく、その店舗を中心に各地の地域活性を図ることに力を入れています。

 

「ゼロ・ウェイスト宣言」(ゴミの排出をなくそうとする取り組み)で知られる徳島県上勝町では、マイクロ・ブリュワリーなどのプロジェクトのプロデュースも手がけています。ゼロ・ウェイストの実践として、そこでは廃材や古い建具を捨てずに再利用。ユニークな外観を持つクラフトビール工場です。来春にはゼロ・ウェイスト活動に関連する新たな施設のオープンも控えています。

 

 

トランジットジェネラルオフィス:「活動の拠点であるごみステーション設置から20年以上が経ち、上勝町には世界中から視察の希望が殺到しています。ごみの中間処理施設のほか、企業や大学関係者向けの研究ラボ、視察者向けの宿泊体験施設が2020年春にオープンします。施設全体を上空から見ると?(クエスチョンマーク)に見えることから、施設は通称WHY(ホワイ)と呼ばれています」

 

JR東日本が運行する豪華寝台列車「四季島」のコンサルティングや、「現美新幹線」のプロデュースなど、同社のフィールドは年々広がっています。

 

「ERUTAN」のメニューづくり

そのような幅広い関係の中から新たな出会いや企画が生まれていきます。では、GOOD NATURE STATIONでの店舗づくりはどのように進められていったのでしょうか。

 

トランジットジェネラルオフィス:「新しいプロジェクトが決まると、ディテールを決めていく私たちのチームを組み立てます。こちらのケースでは、“GOOD NATURE”コンセプトを基にディスカッションを重ねる中で、もともと弊社CEOと旧知である徳吉洋二シェフの名前が挙がりました。シェフも弊社の気風同様、自分の元に来る依頼を楽しんでくださる方であることはわかっていましたので、とても興味を持ってくださいました」

 

徳吉シェフは、日頃から産地や生産者を訪ね、出合った食材からインスピレーションを得て料理を構想していくといいます。「ERUTAN」では、GOOD NATURE MARKETに並ぶ食材の仕入れも担当するバイヤーとも情報交換しながら、京都で採れる旬の有機野菜を中心に、平飼い卵や循環農法で栽培される近江たんぽぽ村のお米などを使うことになりました。「それらの食材を実際手にすると次々に新たなアイディアが浮かぶようで、開業直前までメニュー変更を繰り返しました」とふり返るように、一つひとつの食材と向き合いながら、「ERUTAN」のメニューは形づくられていきました。

 

 

モーニングでは、20種類の野菜をたっぷり使うシェフオリジナルのシフォンフリッタータや各種デリカテッセン、人気ブーランジェリーのパンのほか、和食もお楽しみいただけます。

 

 

ランチは前菜をのせた3段のアンティパストスタンドと季節のパスタやドルチェがセットになった「ERUTAN LUNCH」が中心となります。

 

 

ティータイムでは、シェフがイタリアのおばあちゃんに習ったというティラミスをはじめとする手作りドルチェと、オーガニックティーなどをご用意しています。

 

 

 

徳吉シェフのレストランはコース料理が主体ですが、「ERUTAN」のディナータイムはあえてアラカルトスタイルに。シェフのシグネチャーディッシュの一つ、京都の卵サンドシーンから作られた宇治の平飼い卵とトリュフを贅沢に使う「究極の卵サンド」をはじめとして、大勢でシェアするカジュアルなスタイル。ナチュールワインもイタリア産を中心に取り揃え、思い思いの時間を楽しんでいただけます

 

 

また、1日を通して楽しめる名物的存在になりそうなのが生ハム。徳吉シェフがイタリアでも使っている、「スライサー界のフェラーリ」とも称されるベルケル社のスライサーで削る生ハムはまるで羽衣のような薄さ。口に含むとふんわり、とろけます。完成したラインアップについて、徳吉シェフはこう語ります。

 

徳吉:「ERUTANでは京都の美味しい野菜をたくさん食べていただきたいと思ってメニューを考えました。また、ミラノのモードも持ち込みます。その一つがディナータイムで提供するフィニッシュアップピザ。窯から出したてのドーム型ピザ生地と、京都美山の牛乳を使うできたてのリコッタチーズ、京水菜などの食材をご自分で自由に組み合わせていただくミラノの最新スタイルです」

 

この他、徳吉シェフの代名詞でもある「魚拓」「豚肉のロトロ」(年内は2品とも完全予約制)もオンメニュー。トランジット社なりの“GOOD NATURE”の解釈と同時に、徳吉シェフの個性も味わえるとても充実したラインナップになっています。

 

フードロス解消にも積極的

美味しい食事を提供するだけでなく、「ERUTAN」では、フードロスなどの飲食業界が抱える課題にも積極的に取り組んでいます。

 

 

トランジットジェネラルオフィス:「ERUTANを反対から読んでいただければわかる通り、施設のコンセプトであるサスティナビリティのなかで、私たちができる範囲で続けることを大切にしています。その取り組みの一例が、徳吉シェフから世界的に通じるワードだとお伺いした “MOTTAINAI”ジャム。調理の段階で出る野菜の端や葉、根などを使うジャムです。朝食やティータイムのケーキなどでご提供しています。使う食材が変わるので毎回ジャムの風味は変わります」

 

ミラノと東京でレストランを展開する超多忙の中、京都に何度も足を運んでくださった徳吉シェフ。今後も発信を続けていきたいと意気込んでいます。

 

 

徳吉:「京都は私の好きな街の一つ。表現できることをうれしく思います。これからはERUTANで四季折々のメニューを提案していきます。MARKETに並ぶ食材の産地・生産者さん巡りも、ぜひ実現させたいと思っています」

 

植物の色であるグリーンを基調に、土や木の色であるブラウンを配した落ち着いた空間で、豊かな時間が過ごせる「ERUTAN」。メニュー、食材、インテリア、サービス、心をくすぐるたくさんの “GOOD NATURE”な仕掛けが待っています。

 

ERUTAN

営業時間

Morning|7:00〜10:00 <L.O. 9:30>

Lunch|11:30~14:00 <L.O. 14:00>

Cafe|14:00~17:30 <L.O. 17:00>

Dinner|17:30~23:00 <L.O. Food 22:00/Drink 22:30>

Bar|10:00~23:00 <L.O. 22:30>

 

GOOD NATURE JOURNAL編集部
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