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ボタニカルバーで味わう、植物の「癒し」の力。

ボタニカルバーで味わう、植物の「癒し」の力。

癒しの力に満ちた植物をテーマに、ヘルシーで環境にも配慮した料理やスイーツ、バーメニューまで。「GOOD NATURE STATION」4階のカフェ・レストラン&バー「Hyssop」は、野に咲く花々のように多くの人を癒す存在でありたいと、メニューや店内デザインにボタニカルの要素を多く取り入れています。今回は、そんな「Hyssop」の料理長を務める河﨑弘之が、他にはない私たち独自のボタニカルバーを紹介します。

 

多くの出逢いの中で、料理に対する姿勢を学ぶ

 

高校卒業後、18歳から地元・広島県にあるホテルのフレンチレストランで修業を積んだ河﨑さん。宴会やパティシエ部門も経験し、8年近くが過ぎたある時、友人と東京へ遊びに行くことになりました。せっかく東京に行くのだからと、某フランス料理店に電話。しかし、あいにく満席でした。

 

河﨑:「ところが直前になってキャンセルが出たとの連絡があったのです。当日は緊張感がありつつも楽しくて、ひと皿ひと皿が持つブランド力やストーリー性に感動。シェフが見送りに出てくださった時、自分が料理人であること、広島から来たことを告げました。するととても喜んでくださり、広島からわざわざ来るガッツのある人材がうちに来てくれたらとおっしゃったんです」

 

一旦、お店を後にしたものの、シェフの一言が心に突き刺さって我慢ができなくなり、引き返します。翌日、友人との予定をキャンセルして改めてシェフと面会。これをきっかけに上京する運びになりました。

 

河﨑:「星付きのモードなレストランですから、革新的な試みが数多くあるのだろうと思っていたのですが、厨房機器などはわりとアナログで、むしろホテルレストランの方が充実しているぐらいでした。違っていたのは、例えばホテルレストランでは基本に忠実に、玉ネギの皮はペティナイフを使わなければならないのですが、その店では無駄なくスピーディであるならば手で剥いても何の問題もないという選択の自由がありました。その代わり、表現方法や完成度には徹底的にこだわること。それが店やシェフのカラーになると学びました」

 

多忙な日々の中で気づいた、自然の素晴らしさ

スターシェフたちの下で計6年の東京生活を経験した河﨑さんは、超多忙な日々をリセットするために長野へ。その後、高原リゾートホテルの草分けといわれる新潟県内のホテルに勤め、豊かな自然の中に身を置くことの幸福感を味わいます。

 

河﨑:「自然を身近に感じて日々を送るうち、植物の持つ力や素晴らしさを実感しました。東京で忙しい時間を過ごしたからこそ、そのありがたみがいっそう身に染みたのだと思います。その頃からボタニカルをテーマにしたレストランをイメージするようになりました」

 

そんな河﨑さんの背中を押したのは、花と植物のある風景をテーマに「INFLORESCENCE(アンフロレッサンス)」というブランドを主宰する廣田晴樹さんでした。廣田さんからGOOD NATURE STATIONのプロジェクトの話を聞き、一も二もなく京都へ向かうことを決めたと言います。

 

 

河﨑:「廣田さんとはもう10年以上の付き合いになります。Hyssopについては、廣田さんがコンセプトを育み、僕が具体的なメニューを構想するかたちです。ヴィーガンやベジタリアン、薬膳といった、今多くの方が興味を持っている植物的要素と食をどのように融合させるのか、さまざまなアイデアを出し合い、工夫を重ねています」

 

ボタニカルの癒しの力を、さまざまなメニューに

 

Hyssopでは、植物の持つ癒しの力を、さまざまなメニューを通して味わっていただくことができます。デトックス効果が期待できる野草やハーブをたっぷり使った朝食や、ランチタイムは空腹度に合わせてセレクトできる各種プレートなどを用意。ティータイムには、極楽浄土の池に咲く蓮の花をイメージしたデザートが。氷・冷・温と、温度を選べるという斬新なものです。

 

また、飲食店の閉店時間が早い京都ですが、Hyssopの営業時間は23時まで。アルコールはもちろん、植物系サワーカクテルといったノンアルコールメニューも。それらと共に楽しめる小皿料理も揃います。

 

 

河﨑:「朝は1日の活力を養うために。午後はリラックスしていただくために。そして、仕事帰りにも立ち寄っていただきたい。ボタニカルには癒しの力がありますから、忙しかった1日を終えて一息つき、また明日から頑張ろうとリセットできるような場にできればと考えています」

 

野山の心打つ風景、絵などのアート作品からインスピレーションを得ることも多いと明かす河﨑さんはハーブにも着目。無農薬栽培の花や香草、薬草を使ったお茶もラインアップする予定です。Hyssop では、1日を通して、草花のある風景をイメージしながら豊かな時間を過ごしていただけることでしょう。

 

 

140万人もの人が住む大都会にもかかわらず、三方を山に囲まれた京都には御所や二条城といったグリーンゾーンもあちこちに。自然と共存しながら歴史を刻んできたこの土地で得たインスピレーションを、お客さまに届けられるよう準備を重ねています。

 

河﨑:「京都は新しいものと古いものが融合している街。長い歴史がある文化の集積地だけに、本物を見極める目を持つ人も多いと思います。また、品があることに重きを置くのも特徴ではないでしょうか。そんな京都だからこそ、先を見過ぎないよう一瞬一瞬を大切に、上質なメニューとサービスをしっかり紡いでいきたいと考えています」

 

植物の持つ力を余すところなく引き出し、もてなしの時間とナチュラルな空間を提供するHyssopでは、プラスチック製品を使わない、食品廃棄物を減らすといった環境に配慮する取り組みも行います。画期的なボタニカルレストラン&バーにどうぞご期待ください。

 

河﨑 弘之(かわさき・ひろゆき)

広島県福山市出身。地元のホテルに約8年間勤務。25歳の時に上京し、ミシュランの星付きのレストランをはじめ、4店舗のフレンチレストランでそれぞれ腕を磨いた後、長野県へ。野尻湖畔のゲストハウスを経て、新潟県内にあるリゾートホテルで料理長を2年間務めた。日本ソムリエ協会認定ソムリエ。

GOOD NATURE JOURNAL編集部