子どもたちのためのプログラムで、 食育のきっかけと未来への投資を

子どもたちのためのプログラムで、 食育のきっかけと未来への投資を

株式会社ビオスタイル EAT(マーケット)営業部/店舗開発部マネージャー|本山喜之

 

GOOD NATURE STATIONでは、子どもたちに向けたさまざまなプログラムを企画しています。大切にしたいのは、何よりもまず楽しんでいただくこと。

 

その中で、一つ一つの食材の美味しさや、それがどのように作られたかを知っていただければ、結果として「食育」の一環になるのではと考えています。今回は、そのために今考えていることをご紹介します。

 

子どもたちの楽しみを第一に

GOOD NATURE STATIONでは、1階の食品・レストランなどで構成されるゾーンであるGOOD NATURE MARKETを中心に、子どもたちのためのさまざまな企画を用意しています。

 

その中で私たちが一番大切にしているのは、子どもたちに五感を使って楽しんでいただきたいという点です。

 

その代表的な取り組みが収穫体験です。例たとえばオーガニックのシイタケを子どもたちに自分の手で収穫して、持って帰っていただく。

それを食べて「美味しい!」と感じれば、こんなに思い出に残ることはありませんよね。オーガニックかどうかやその意味については、後からわかるくらいでいい。まずは楽しく体験していただくことが大事だと思っています。

 

生産者のこだわりを知ることで「食」への興味につなげる

また、GOOD NATURE MARKETで販売する食材についても、それがどうやって作られているのか、楽しく伝えることにこだわっていきたいです。特に、生産者の方々がこだわっている部分は表現を工夫したいと思っています。

 

京都のある醸造家の方は、とてもたくさんのお米を使ってお酢を作っています。一般的なお酢は1リットルあたり約40グラムですが、こちらのお酢には3倍の120グラムの米が使われています。そのこだわりを楽しく伝えるためにはどうすればいいか、そういったことも含めて考えています。

 

たとえば、実際の米粒を置いておく。そうすれば、その量の違いが一目でわかりますよね。しかも、それを砂時計のようなものにすれば、ひっくり返して米粒が落ちていく様子を見ながら、「こんなに違うんだ」ということを体感できますよね。そこまで踏み込むことができれば、こだわりをわかっていただけるのではと思っています。

 

こういったアイデアはたくさんありますが、「食育」を前面に押し出すのではなく、子どもたちにはシンプルに「ここに来れば楽しいことがある」と思っていただきたい。夏休みには自由研究のテーマになりそうなコンテンツもたくさん揃えて、「知らないことが待っている」場所にしたいのです。そうする中で、私たちの考える“GOOD NATURE”のあり方を少しずつでも伝えていくことができれば嬉しいですね。

 

楽しい思い出を「食育」のきっかけに

また、5月に開催した体験型イベント「GOOD NATURE market」では、子どもたちに焼印体験をしていただきました。家具を作った時に出た端材を集めてきて、そこに焼印を押して、キーホルダーにして持って帰っていただくというものです。

 

端材というのはいわばただの木の端きれなのですが、自分で焼印を押すという体験をすることで、すごく思い入れのあるキーホルダーになるのです。同時に、リサイクルについて楽しく伝えることができました。やけどをしないように細心の注意を払う必要がありましたが、本当にやって良かったと感じています。

 

これは開業後も続けていきたいことの一つです。子どもたちだけではなく、ホテルにチェックインされたお客さまにお渡しするなど、対象を広げてもいいかもしれません。端材のプレートをお渡しして、電熱ペンで好きなものを描いて持ち帰っていただく。

 

旅の思い出の一つにしていただくとともに、端材を利用した取り組みを通して、“GOOD NATURE”という私たちの価値観をお伝えできるのではないかと思います。

 

 

こうした活動は、いわば未来への投資です。子どもたちがGOOD NATURE STATIONに来て、五感を使ってさまざまなことを体験し、楽しい思い出をつくっていただくこと。それが食材や生産者のことを知る、ひいては「食育」のきっかけになれば、私たちにとって一番幸せなことです。

 

本山喜之(もとやま・のぶゆき)

 

株式会社ビオスタイルEAT(マーケット)営業部/店舗開発部マネージャー。食品販売会社やカフェ経営などを経て2017年に入社。生産者の方々に寄り添いながら、安心・安全な食品をどうすれば消費者が気軽に楽しく取り入れられるか、そのルートづくりや店舗設計を行っている。

GOOD NATURE JOURNAL編集部
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